新学期がいよいよ始まりました。
しかし新型コロナウイルス感染症(Covid19)はまだまだ治まらず、京都府を含めたいくつかの県は、緊急事態宣言下に置かれています。
小学校や中学校でも、陽性者が出始め、心配な保護者さまも多いと思います。

最近、ニュースでよく聞く、デルタ株ってなんでしょう?
デルタ株は、従来株と比べて、感染力が高く、また若者の重症化も増加しているというニュースをよく聞きます。
子どもへの影響はどれくらいあるのでしょうか・・?

デルタ株とは、インドで確認された新型コロナウイルスの新しい変異株です。
変異とは、ウイルスが人へ感染しやくなったり、より増えやすくするために、ウイルスタンパク質の一部を変えることです。
特に、このコロナウイルスは、もともと変異を起こしやすいことが知られています。また、より感染力が強いウイルスが広がりやすくなるのは、もっともなことです。

デルタ株は、イギリスで見つかったアルファ株や南アフリカで見つかったベータ株と比べて、感染力が高く、日本では60~80%程度、デルタ株に置き換わってきていると言われています。
デルタ株の他の特徴として、これまで重症化のリスクが65歳以上の高齢者だったのに対して、若者(20~30代)でも重症化する人が増えていること。
またワクチンの効果が80%程度になることなどがあります。
というのも、このウイルスは、もともと日本人の6割が持っていた免疫細胞の攻撃をすり抜けられるようになったからと言われています。
では、こどもへの影響はどうなのでしょうか?
日本全国で感染者が増加していることに伴って、こどもでの陽性者も増えています。
ただ小児のCovid19患者(ウイルスに感染して、症状のあったこども)の割合は、わずかな増加にとどまっているそうです。
現時点で、変異ウイルスが子どもに感染した場合も、従来ウイルスより重症化する可能性を示す証拠はなく、多くが無症状から軽症で経過していると小児科学会から報告されています。
子どもで新型コロナウイルスの感染が大人と比べて、なぜ低いのかは、まだよくわかっていません。一説によると、ウイルスが人に感染する時に必要なタンパク質(ACE2というタンパク質)が小児ではもともと低いためとも、言われています。

変異ウイルスに対する対策として、私たちができることは、これまでと変わりません。
基本的感染対策(3密回避、適度な換気、適切なマスクの着用、手洗い、咳エチケット、検温による体調管理など)の徹底が重要です。特に手洗い、手指消毒は有効です。