小児における新型コロナウイルス感染症は比較的軽症で、多くの場合は治療を必要としないものが多いと言われています。
これって本当?と不安に思っている保護者の方も多いと思います。小児おける感染者の報告を解析した結果が、2021年9月6日づけで発表されています。
国内の新型コロナウイルス感染症のレジストリを利用して、2020年1月から2021年2月までの間に登録された18歳未満の小児新型コロナウイルス感染症入院例1,038人を対象に分析を行っています。
報告によると、無症状の患者は約30%、症状のあった患者のうち、酸素投与を必要としたものは15人、死亡例は0人と、多くの小児が特別な医療行為を必要としない軽症であることが報告されています。
※デルタ株が日本にまだ存在しない時期での研究報告のため、小児におけるデルタ株の影響は評価できていません。
小児における重症化は大人と違い、肺炎の悪化によるものではなく、「小児多系統炎症性症候群」と呼ばれるもので、発熱などの症状以外に、下痢、発疹などがみられ、心臓の働きが悪くなることが特徴です。
新型コロナウイルスに感染した直後ではなく、回復期(2-6週間後)に、小学生以上のお子様にこのような重症化例が見られることが報告されています。
国内でも海外と同様に、少数ではありますが、このような重症化した小児がいることが報告されており、こどもの感染についても注意を払っていく必要があります。現在のところ、こうした重症化の小児患者数は少なく、いずれも治療によって回復していますが、医療の現場がひっ迫してきている今、同じような治療が受けられるか、不安はあると思います。
もしもお子様が感染し微熱などの症状が出た場合は、数週間、下痢や発熱、発疹、ぐったりするなどの症状に特に注意をはらってください。
過度な心配は不要ですが、子どもへの感染を防ぐために、これまで通りの基本的な感染対策が重要です。
子どもへの感染のほとんどが同居している成人(保護者)からの感染です。そのため、保護者さまがかからないように行動することも重要です。